ポットローズの育て方・楽しみ方(ローズフォーエバー・インフィニティ® ローズ)

ポットローズはヨーロッパでは大変人気のバラで、お店で購入した鉢をお気に入りの陶器鉢等に入れて、窓辺やテラスに飾って楽しまれています。明るい場所であれば、もともと持っている蕾が次々と開いてくるため、長く鑑賞できます。

また、ローズフォーエバーやインフィニティ® ローズはコンテナなどに植え変えて楽しむこともできます。
次の説明を読んでいただくとより長く楽しみことができます。

どんな用土に植えればよいの?

鉢花は、植木鉢やプランターなど、容量の限られた器の中で育てるため、適切な用土に植えないと根が伸びられず、健全な生育は望めません。一般的に、次の条件を満たしている必要があります。

  • 排水性が良いこと。水やりをしたとき、すぐにスーッと水が引いて、鉢底の穴から水が流れ出るようであればOK
  • 同時に水持ちも良いこと。余分な水はすぐに排出しても、必要な分量の水分は土自体が保持してくれることが大切です。
  • ふかふかした土で通気性が良いこと。植物の根は呼吸をしています。新しい空気(酸素)が供給されないようだと窒息状態となり、根腐れの原因になります。
  • 適切なpHを有する用土であること。バラは弱酸性を好みます。資料にもよりますが、「バラの生産技術と流通 大川清著 株式会社養賢堂」によると、pH5.5~6.5になるくらいと書いてあります。

生産者の場合、大量に流通していて、成分が安定していることからピートモスを主体とした配分で作成する方が多いですが、自分でブレンドして作成する場合は、一番大事なのは、バラを植えていた古い土を再利用するのは避けたほうが良いということです。

バラは肥料食いのため、土壌中の肥料バランスが著しく崩れている可能性があるためと、何より、うどん粉病や黒星病などの病原菌の温床となる残渣が土に残っていたり、根頭癌種病を引き起こすセンチュウなどがいた場合取り返しがつきません。ミニバラの場合、株そのものが小さいので、一度病気が発生すると、あっという間に枯れてしまうことが多く、一般の人たちはそれでがっかりした経験がおありなのではないでしょうか?

市販の培養土の場合は、その点、安心なものが多いです(かといって完全に安心はできませんが)。加熱殺菌済みの赤玉土やピートモスをメインに配合すると、病気に感染する恐れは軽減されます。あとは、配合する用土の種類によって、それぞれ保肥性、保水性、pHが異なるため、使用する鉢の種類に合わせて、配合する用土を変えると良いでしょう。ピートモスを主体とした場合、一例として、ピートモス:40%/パーライト:20%/腐葉土:10%/バーミキュライト:10%/畑土:20%が勧められています。

ピートモスは乾湿の差が激しいので、素焼きの鉢を使用する場合は、ピートモスを鹿沼土に入れ替えるか、それか、赤玉土を6割くらいにして、腐葉土1~2割(バーミキュライトは有っても無くても良い)、畑土2割で良いのではないでしょうか。この時注意したいのは、有機質として腐葉土を多量に混ぜないということです。腐葉土を多く使うと、コガネムシの幼虫が入り込み、腐葉土を食べ物とするついでにバラの根を食害し、枯らしてしまうことが報告されています。腐葉土をどうしても使いたいときは、植え込むときに残留性のある農薬も一緒に混ぜて植え込んでください。

しかし、自分でブレンドすると、手間がかかって大変なので、現在ではお店で「培養土」と称してブレンド済みの配合土が市販されているため、それを使うと便利です。培養土はあらゆる植物の栽培に対応すべく、一般的に弱酸性から中性に設定されており(pH6~7)、あらかじめ腐葉土等の有機質や肥料成分が混入されているものがほとんどです。バラに適用する為に、pH無調整ピートを混ぜ、弱酸性(pH6~6.5)に調整したものを使うと良いでしょう。栽培初心者の場合は、基本に忠実にするためにも、pH試験紙などでpHをきっちりと測定して使用するのが良いと思います。

肥料について

市販されている培養土を使用する場合、植え替え初めの頃は、追肥は要らないと思われます。
むしろ、過剰に施肥すると、塩類集積が発生したり、N過剰によってバラが病気を引き起こす可能性があります。自分で用土をブレンドして作成した場合は、緩効性肥料を裏面の使用方法に従って施肥します。施肥のタイミングは、 ・追肥(花が咲き終わり、軽く剪定した後に与える肥料) ・お礼肥(休眠1か月前程度に与える肥料) ・春(越冬して芽が動き出した頃) です。植物の成長スピードに合わせて、施肥量を調整します。お礼肥の場合、翌年へ越冬するための備えなので、あまり過剰にならないように、春・秋の半分程度とします。

植え替える際の鉢のサイズ

鉢の大きさは、ポットから抜いてみたときの根鉢より、一回りか二回り大きい鉢が適当です。

根の量が少ないのに、はじめから大きい鉢に植えつけると、用土が常に過湿状態となりがちなので、うまく育ちません。
また、ポットローズは、鉢で育成することを目的として交雑された矮性品種であるため、ガーデンローズ等に比べ、成長が遅い面があります。 大きい鉢に植える場合は、数鉢同時に寄せ植えすると、下葉の枯れも目立たなくなり、見栄えも良くなります。但し、密植しすぎると、風通しが悪くなったり、内側の株に光に当たりにくくなるので、適度な密度で植えてやるのが良いでしょう。

使用する鉢については素焼きの鉢がおすすめです。 断然見栄えが良いし、鉢自体が多孔質で、鉢自体が水分や空気を通す性質があり、植物の根の生理から考えると排水性と通気性の両方を兼ね備えていることです。また鉢の壁面から水分が蒸発することによって気化熱が奪われて鉢の温度の上昇を抑える働きもあります。

但し、夏などは逆に植物の蒸散量や、土壌からの気化が増え、水分が失われる頻度が多くなることで、水やり回数が増えてしまうというデメリットもあります。そのため、ピートモスを主体とした用土との相性は良くないようです。夏は日向よりも半日蔭の場所に移動するのが良いと思われます。また、素焼きの鉢の場合、鉢底に丸い穴が穿かれていることが多いので、土の漏出防止に加えて、害虫が土壌に侵入するのを防ぐためにも、鉢底にネットを敷く必要があります。いずれの鉢を使用するにせよ、その鉢の特徴を把握して、適切な水やり管理をすることが大切です。

 

4号(径12cm)以下の小さな鉢に植える場合は、水はけが悪くなることは考えられませんから、鉢底石は不要です。それより用土の量が少しでも多い方が、植物にとって好都合だからです。しかし、5号以上の深めの鉢に植える場合は、水はけを良くする意味で、鉢底に鉢底石や、数個ゴロ土を敷いたほうが良いでしょう。 今回は、水はけと保水性両方を兼ね備えている赤玉土を数cmの深さで下に詰めました。赤玉土は弱酸性を示し、粒状構造のため、通気性、保水性、保肥性に富むことからバラにも相性が良いと思われます。しかし、欠点としては使用しているうちに、粒状構造が崩れて、目詰まりを起こしやすくなる(但し、鉢底に使用しているので細かく崩れたのは流れていきやすい)ので、粒が崩れていない、中粒以上のものを使用すると良いでしょう。

移植の仕方

1月~母の日前までに店頭に出回るものは、温室で比較的低い温度でたっぷりの太陽を浴びて育成されており、節間が短くて分枝も多く、葉が生い茂り、花芽の多い良品が多く出回る時期の為、株の状態の良いものを手に入れやすいです。
寄せ植えしてみる!

ポットローズの場合、鉢に用土を詰めたものに直接挿し木して発根させ、底面灌水方式(鉢底から液肥入りの水を灌水する方法)で栽培する方式を採用している生産者が多く、その場合、鉢の上縁いっぱいにまで用土が詰められていることがあります。しかし、植え替えや寄せ植えをする場合、水やりは上部から行うのが普通なので、土の漏出を防ぐためにも、土詰め後でも、ある程度、鉢の上縁から数cmの深さくらい確保しなければなりません。購入した根鉢の深さと水鉢分の深さまで用土を詰めて、根鉢を崩さないように、購入した鉢花を並べていきます。

周りからそっと土を注ぎ込む。

もし、不運にも根が枯れている(茶色くなっている)ものがあれば、いずれその部位は腐ってくるので、取り除いてから移植するようにします。
水やりは株元からやる。

完成!!

自分のイメージしたように、株を配置し終わった後、周りからそっと残りの用土を詰めていきます。土を詰め終わった後、株に直接水がかからないように鉢底から水が流れ出るまで、たっぷりと水やりします。その際、ダコニール等殺菌剤を既定の濃度で混ぜたものを最初にやっておくと、病気の予防になります。但し、ダコニールは病徴が現れてから適用しても効果が弱いので、予防的に使用するのが正解です。

移植した後の管理

移植した後しばらくは、根が新しい土に伸長し始めるころまで、切り戻しをしない方が無難です。
移植してから2週後

用土が乾くことでバラの根が傷む一因として、塩類集積が考えてられているため、十分に灌水して排水してあげることで、根の傷むのを防ぐと期待されます。但し、鉢花を購入する時期によっては水やりの量を調整しなければなりません。 秋口から冬にかけて室外に置いている場合、たっぷりと水をやってしまうと根腐れを引き起こす恐れがあります。植物の蒸散や、土壌からの気化によって失われる分の水を予測して水やりするのが上手な管理の第一歩です。 気温については、ポットローズの栄養成長期には、温室内において日平均20~25℃で管理するのが理想とされており、多くの生産者の場合、その温度帯に入るように調整しています。ポットローズも、徐々に低温にあてることで、外でも十分に生存できますが、急激な温度の変化にさらすと(生産者のところでは前述の温度で育成されているのに、急激に寒いところや暑いところに移動する)、株が傷んだり、最悪枯死するので購入してきた直後は特に注意が必要です。買ってきた鉢花を見栄えの良い状態で長く維持する場合には、15~25℃の間で管理すると間違いが少ないです。

それ以上に高温になったり、低温になる場合は、半日蔭の涼しい場所や、室内の暖かい場所に移動するのが良いでしょう。
最初に、健全な鉢花を入手し、適切に管理することで、驚くほど手間いらずで、長期間鑑賞に耐えるように維持することができます。

適切な管理を施せば、4ヶ月経過しても十分きれいに咲き続けます。

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